ねぶた制作者 竹浪比呂央 氏
ねぶたは幼少の頃から好きで、ずっと何らかの形で携わっていました。
大型ねぶたのスタッフとして制作に参加・修行するようになり、作品を発表できるようになりました。
ねぶたは県外や海外での反響も非常に大きく、単にお祭りとしてのねぶたではなく、発信のしかたによっては違った価値観を見い出してくれる方もいたりと、いろいろな可能性があるのではないかと強く感じました。
これまでずっと、ねぶたを「青森発の新しい文化発信」として、『アート』という切り口で見ていただくこともできるのではないかという想いがありました。
そんな時、この事業にお誘いいただき、参加することにしました。
「紙とあかりの造形物」として捉えることで、別の発信方法もあるではとも思っています。
とにかく「ねぶた」というものの「祭りの発展」と「祭りの存続」でしょうか。
ねぶたをなくしてしまうことはあってはならないという強い想いがあります。
そのための一番の問題は後継者。
今の制作のレベルを落とすことなく、さらに高めていくということ。
ねぶたを制作するための「骨がつくれる」「絵が描ける」ということではなく、『文化の担い手』としての青森を発信できるような、造形作家的な幅の広い活躍ができる優秀な若手が育ってくれたらいいなと思っています。
うちの研究所でも、若者を育てること、ねぶたを祭り以上の価値観のあるものとして発信できることを目標にして活動しています。そんな活動を続けていきたいと思っています。
能書きや言葉がどうのこうのという、解説を読んだり見たりということがなくても、心に響くもの。
何が良いのか何がどう違うのかわからないけれど、何か心が揺さぶられるもの。
ずっと気になってしょうがないもの。
こんな風に人の心に響くものを表現していきたいと思っています。
言葉が通じない、あるいは歴史を知らない、伝統的な意味合いを知らない人でも、パッと見た瞬間に「おお!」という気持ちになるような、不思議な魅力。
何か気になるような魅力。ずっと消えない「何か」が心に残るようなもの。それがアートなのかな、と思っています。
ねぶた制作者 竹浪比呂央 たけなみ ひろお
ねぶたの創造と研究を主としながら、「ねぶた」を「紙と灯りの造形」と捉え、新たな可能性を追求し続けている。
1959年 | 青森県西津軽郡木造町(現つがる市)生まれ |
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1989年 | 初の大型ねぶたを制作以来、ねぶた大賞はじめ受賞多数 |
1996年 | ハンガリー建国1100年祭出陣ねぶたをブタペストにて制作 |
1998年 | 活彩あおもり大祭典 東京ドーム出陣ねぶたを制作 |
2005年 | 第13回 あおぎん賞 受賞 |
2007年 | アメリカ ロサンゼルス 二世ウィーク出陣ねぶた制作 |
2010年 | 青森市内に「竹浪比呂央ねぶた研究所」を設立 |
2012年 | 第30回 NHK東北放送文化賞 受賞 |
竹浪比呂央ねぶた研究所
住所 | 〒030-0803 青森県青森市安方2丁目2-8 |
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電話番号 | 017-752-1616 |