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アーティスト・イン・レジデンス プログラム 2025「CAMP」(11.14-29)

Design:HONJO Hirotaka

青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC]
アーティスト・イン・レジデンスプログラム2025 
「CAMP」(キャンプ)
Aomori Contemporary Art Centre, Aomori Public University
Artist in Residence Program 2025 “CAMP”
プログラム期間:2025年9月15日(月)-12月15日(月)
展覧会会期:2025年11月14日(金)-11月29日(土) ※11月7日(月)のみ休館
展覧会会場:協同組合タッケン美術展示館(青森市柳川1-1-5 JR青森駅東口ビル4F)

初の市街地会場で開催―青森での滞在から生まれた作品を発表します!

国際芸術センター青森(ACAC)は2001年12月の開館以来、アーティスト・イン・レジデンス(AIR)のプログラムを柱に、様々なジャンルのアーティストによる創造と発表の場として活動を続けています。今年の公募型アーティスト・イン・レジデンスプログラムではゲスト審査員にインディペンデント・キュレーターの池田佳穂氏を迎えました。本年度は800件を超える応募の中から採択された4名の参加者に加え、スコットランド北海岸に位置するオークニー諸島、メインランド島の中心地のひとつであるストロムネスに拠点を持つアートギャラリー/美術館であるPier Arts Centreの推薦による1名を合わせた計5名がACACで滞在制作を行います。 

滞在制作中の活動を構想するための手がかりとして、AIRプログラムでは毎年異なるタイトルを掲げています。本年度のプログラム名称「CAMP」は、一時的な居住のための場所や技術の訓練などを行うこと、特定の感性や信念を共有する集団、また歴史的にさまざまなマイノリティグループ間で共有されてきた反体制的な美学的感覚をも表す言葉です。表現者が集い滞在する場であることや、都会的な快適さから隔離され自らの表現と向き合うことにある場所性を表すとともに、「CAMP」は非常事態や例外を生き延びていく術でもあるでしょう。

本年度はACACの施設改修工事に伴い、ACACの展示棟ではなく青森駅に直結するJR青森駅東口ビル内の協同組合タッケン美術展示館を成果発表の場とします。青森という土地に集い、例年とは異なる状況を創造の糧にしながら、今だからこそできることを考え、新たな環境に応答しようとする5名の滞在制作の成果をぜひ見届けていただければ幸いです。 

展覧会・イベントのご紹介

〇展覧会 アーティスト・イン・レジデンス プログラム2025 「CAMP」
会期:2025年11月14日(金)-11月29日(土) 10:00-18:00 ※11月7日(月)のみ休館、入場無料
会場:協同組合タッケン美術展示館 (〒038-0012 青森市柳川1-1-5 JR青森駅東口ビル4F) 

公募により選出された4名のアーティスト(前谷開、丹治りえ、アディ・スンドロ、アティッタヤポーン・センポー)とPier Arts Centreの推薦による1名(サマンサ・クラーク)を合わせた計5名が青森での滞在成果を発表します。

○池田佳穂(ゲスト審査員)×参加アーティスト トーク
日時:2025年11月15日(土) 13:00-16:00
会場:旧ユースタイル(〒030-0801 青森市新町2-6-21)
申込不要、無料
※会場地図

今年度のゲスト審査員の池田佳穂氏とACACでの滞在制作を行ったアーティスト5名が、青森での滞在や制作についてお話します。 

○前谷開ワークショップ「写真になる」
日時:2025年11月1日(土)、2日(日) 10:00-17:00※1日ごとに完結するワークショップになります。
集合: 国際芸術センター青森、展示棟ラウンジ
定員:各日5名※要申込、無料 
写真を軸に活動を行ってきた前谷開と写真行為を集団で行うパフォーマンスのようなワークショップを行います。

○アティッタヤポーンとタイナイト★(仮)
日時:2025年11月21日(金)
会場:くいもんや まるふく(青森県青森市幸畑1-21-20)
アティッタヤポーン・センポ―の創作活動の原点である、タイのイサーン地域の文化を楽しむイベントです。

○丹治りえワークショップ「きおくのきろくをさがし、きろくのきおくをたどる」(仮)
日時:22025年11月22日(土)
会場:旧ユースタイル(青森市新町2-6-21)
過去の日常の写真を持ち寄り、お話しながら青森の街を散策し、それぞれの記憶や思い出を共有し合うワークショップです。 

○アディ・スンドロワークショップ「版画&揚げ物―キッチンリトグラフとゴレガンワークショップ」(仮)
日時:2025年11月24日(月)
家庭にある材料を使って行う版画技法「キッチンリトグラフ」で包み紙を作り、インドネシアの揚げ物「ゴレガン」も一緒に手作りするワークショップを行います。

*プログラム期間中にはこの他にもイベント等開催予定です。また、展覧会・イベントは今後の状況により変更となる場合があります。最新情報についてはお手数ですがwebサイトや各種SNS等をご確認ください。


アーティストプロフィール

○前谷開 MAETANI Kai

前谷開≪Burns on the Retina (Dear Cells)≫ 2020年

1988年愛媛県生まれ、神奈川県在住。2013年、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院芸術研究科表現専攻 修士課程修了。自身の行為を変換し、確認するための方法として、主に写真を用いた作品制作を行う。訪れる場所や、そこで起こる状況、関係性のなかに自分がどのように立つことができるのかを考え、実践し、その状況を記録して作品化する。制作活動の出発点であるセルフポートレイトを発展させながら、自身の立ち方と、それを風景として見つめるもうひとつの視点を行き来し、“自らの位置”について思索するための装置としてカメラを扱う。共同スタジオ「山中suplex」、アーティストグループ「木曽路」、「ARCHIVES PAY」に所属し、共同制作や記録撮影などを行う。主な展覧会に、「 À l’intérieur de Portrait de famille 」(パリ日本文化会館、パリ、2024年)、「地下の」(TALION GALLERY、東京、2024年)、「転覆する体 アート、ジェンダーとメディア」(The 5th Floor、東京、2023年)「類比の鏡/The Analogical Mirrors」(山中suplex、滋賀、2020年)、「六本木クロッシング2019 展:つないでみる」(森美術館、東京、2019年)などがある。

○丹治りえ TANJI Rie

丹治りえ≪みおぼえのある風景≫2023年 Photo:大屋玲奈

1983年福島県生まれ、沖縄県在住。2009年沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科環境造形専攻彫刻修士課程修了。建造物の中の日常空間をモチーフに、建築資材や日用品など身近にある素材をアッサンブラージュし、仮設的な構造物を制作して、人間とモノまたは人間と環境の関係性を探っている。同時に社会的な力学によって生まれる構造とともにその影で見過ごされてしまう個人的な出来事に関心を寄せ、モノや場に対する人間の感覚を揺さぶる作品を展開することを試みている。最近の主な展示・活動は、Katsurao AIR(福島、2025年)、ARCUS Projectいばらき アーティスト・イン・レジデンスプログラム(茨城、2024年)、「パピリオン構想展」(今帰仁村中央公民館、沖縄、2024年)、個展「みおぼえのある風景」(RENEMIA / Luft shop、沖縄、2023年)、「和田ながら×新垣七奈 ジャンコクトー『声』」の舞台美術(那覇文化芸術劇場なはーと、沖縄、2023年)、「REDRAW TRAGEDY」(Künstlerforum Bonn、ドイツ、2022年)、「SICF22」(スパイラルホール、東京、2021年)など。


○アディ・スンドロ Adi SUNDORO

アディ・スンドロ≪GORENGAN Bureau≫ Installation view of Museum MACAN Children’s Art Space 2025年 Photo:Liandro Siringoringo

1992年ジャカルタ生まれ。ジャカルタ州立大学およびバンドン工科大学で美術教育を学び、修士課程を修了。版画制作に取り組み、多様な印刷技法を組み合わせることで、伝統の枠にとらわれない独自の表現を追求している。日々の些細な出来事から社会的・政治的な問題まで、身近な現象にまなざしを向ける表現手段として、版画の特性を活かした創作を行っている。主な受賞歴としては、2016年フランスの「第1回インターナショナル・キッチン・リソグラフィー・コンテスト」にてパブリック・プライズ賞、2022年には「UOB ペインティング・オブ・ザ・イヤー2022」エスタブリッシュド・アーティスト部門で銅賞を受賞など。2019年にはジョグジャカルタのKKFにて初個展「Bualan Ikan: Narasi-narasi yang Terseret Arus」を開催。2025年には、ミュージアム・マチャン(MACAN)による子ども向けアートスペースのプロジェクト「GORENGAN Bureau(Good, Organized, Responsive, Engaged Neighborhood Citizen Bureau)」に起用された。2014年より版画スタジオを拠点とするコレクティブ「グラフィス・フル・ハラ」のメンバーとして活動し、版画の探求・実験・教育に注力している。現在はジャカルタを拠点に、ビジュアルアーティスト、クリエイティブディレクター、講師として活躍している。

○アティッタヤポーン・センポー Atittayaporn SAENPO

アティッタヤポーン・センポー≪Grassy Diary≫ Photo from Video

1999年生まれ、タイ・ロイエット県出身。イサーン地域(タイ東北部)を中心とした社会構造を考察する作品を制作する現代アーティスト。風刺的なアプローチを通じて、社会の規範を問い直し、「当たり前」とされ見過ごされがちな問題を浮き彫りする。また、地域のコミュニティと深く関わり合うことを通じ、生活の現実と複雑さを作品に反映させながら、日常への視点を物語を誘発する思索へと変換する。これらの探求は、マルチメディア・インスタレーション、ビデオアート、パフォーマンス、ニューメディアアート、彫刻、写真など、さまざまな形式で表現される。彼女はまた、タイ・コンケン県のKULTX Collaborative Spaceでアーティストメンバーおよびアシスタントとして活動している。彼女の作品は、「Young Artist 2021」、「Gold Rush Go Northeast」(KULTX Collaborative Space、2022年)、「SOE We Trade Everything 2023: The Serendipity」、「Kenduri Seni Patani 2024: Grassy Diary」、「Art On Farm 2024: Khakis in the Khampom City and Beyond」など、数多くの展覧会で展示された。 


○サマンサ・クラーク Samantha CLARK

サマンサ・クラーク≪The Wave≫ Image: detail

オークニーを拠点とするビジュアルアーティスト、ライター。オークニー諸島の風、空、海といったダイナミックな自然環境に呼応した作品を制作する。特に、水を、この世界における深い共生関係とはかなさを示すものとして捉えて思索の対象としている。クラークの実践は、執筆、ドローイング、インスタレーション、映像、そして公共空間における恒久設置作品など多岐にわたり、現在は絵画と反復がもたらす瞑想性について取り組んでいる。 エディンバラ芸術大学(1985~1989年)、ベオグラード美術アカデミー(1991年)、スレード美術学校(1993~1996年)で学び、UCLANで環境哲学の修士号(2011年)、セント・アンドリューズ大学でクリエイティブ・ライティングの博士号(2017年)を取得。これまでに数多くのレジデンシー、コミッションワーク、展覧会を行っており、2019年にはカークウォールにあるバルフォア病院のために30メートルの壁画を制作した。そのほか、オックスフォード大学、ローマ・ブリティッシュ・スクール(1991年)、タスマニア大学(2000年)、バーゼルのIAAB国際交換スタジオ(2004年)などでレジデンシーを経験した。初の著書『The Clearing』は、2020年にLittle, Brown社より出版された。2023年には、初代となるRSA MacRobert Trust Art Award for Paintingを受賞した。 

ゲスト審査員プロフィール

○池田佳穂 IKEDA Kaho

インディペンデント・キュレーター。2016年より東南アジアを中心に、土着文化や社会情勢から発展したコレクティブとDIYカルチャーを調査。展覧会、パフォーミングアーツ、教育プログラムなどを複合した横断的なキュレーションに関心をもつ。森美術館でアシスタントとして経験を積み、2023年春に独立。山中suplexの共同プログラムディレクター、アートセンターBUGおよび「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」のゲストキュレーターを務める。近年の展覧会やラーニング事業の主な企画実績として、「バグスクール2024:野性の都市」(BUG、2024年)、「みんなで土をラーンする!」(山中suplex、2024年)、「一人で行くか早く辿り着くか遠くを目指すかみんな全滅するか」(山中suplex、2024年)などがある。

開催概要

展覧会名|青森公立大学 国際芸術センター青森[ACAC] アーティスト・イン・レジデンスプログラム2025 「CAMP」
プログラム期間|2025年9月15日(月)-12月15日(月) ※作家が滞在できる期間
展覧会会期|2025年11月14日(金)-11月29日(土) ※11月7日(月)のみ休館 、入場無料
会場|協同組合タッケン美術展示館 (青森市柳川1-1-5 JR青森駅東口ビル4F)
開館時間|10:00-18:00  
主催|青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC]
協力|AIRS(アーティスト・イン・レジデンス・サポーターズ)
助成|文化庁 令和7年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス型地域協働支援事業 
後援|青森市、青森テレビ、RAB青森放送、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、エフエム青森、ABHラジオ、 コミュニティラジオ局BeFM、東奥日報社、陸奥新報社、デーリー東北新聞社

[お問合せ] 青森公立大学 国際芸術センター青森:大黒 Tel: 017-764-5200 Fax: 017-764-5201 Mail: acac-1@acac-aomori.jp Web: https://acac-aomori.jp/