青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] ランド&ラーニング たとえ共存が難しかったとしても、この森は共有地になりうるだろうか
青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] ランド&ラーニング
たとえ共存が難しかったとしても、この森は共有地になりうるだろうか
Aomori Contemporary Art Centre, Aomori Public University
Land & Learning: Becoming with the (Common) LAND ―Even If We Can’t Be Together
プログラム期間:2026年2月-2028年3月
会場:国際芸術センター青森、青森市内

2カ年にわたるプログラムを開催いたします
気候変動や人間の暮らし、開発の影響により、野生動物が人の生活圏に現れる機会が近年増えてきています。八甲田山麓に位置する国際芸術センター青森(ACAC)の周辺地域でも、熊をはじめとする野生動物の出没が相次ぐなど、私たちの暮らしとの関係が改めて問われる状況となりました。
ACACが位置する森(土地)は、人間社会の制度のもとでは私たち人間の管理下にあります。しかし、私たちが森を利用し、境界を引き、安全を確保しようとする一方で、動植物もまた、それぞれの営みのなかでこの土地に関わり続けています。そこには、人間だけの論理では捉えきれない複雑な関係が存在しています。
ACACでは2カ年にわたるプログラム「ランド&ラーニング」を通して、この森を自然の摂理のなかで多様な種が行き交う「共有地」と捉えることを出発点に、他種と森を分かち合い、ともにあるための方法を、ラーニングプログラムや展覧会などさまざまなかたちで探究します。2026年度は「たとえ共存が難しかったとしても、この森は共有地になりうるだろうか」を副題に掲げ、フィールドワークやワークショップ、トークイベントを通して、知識と実践の両面から学び合う場を目指します。
「共有地」をめぐる状況は固定されたものではなく、人間と他種との関係性によって絶えず変化しています。「ランド&ラーニング」もまた、そうした変化を前提としながら、その時々の状況に応答するように展開していきます。
「ランド&ラーニング」を構成する4つのプロジェクト
〇八甲田縄文ラボ
アーティストや研究者とともに八甲田山系とその暮らしを学び、自然環境や生活の特徴を手掛かりに他種が集う「共有地」のあり方を考えます。
〇残る、なくなる
ACACの森に設置されてきた野外彫刻のあり方を、「残る、なくなる」という視点からアーティストとの対話を通して捉え直します。
〇地と表現の岸辺
青森の地質学的に特徴のある土地やその場所に根付く歴史や伝承をリサーチし、生物や無生物の間にある物語を探ります。
〇つくるをひらく
アーティストと市民の共同制作を通じて、地域コミュニティと関わり合いながら行う作品制作の可能性を探ります。
2026年度関連イベントのご紹介
【八甲田縄文ラボ】
・八甲田縄文ラボ・バスツアー
日時:2026年9月26日(土) 9:00-18:00
会場:青森市内 ※予約制
地理学者の三浦英樹氏、人類学・解剖学を専門とする長岡朋人氏、鳥のリサーチをもとに制作を行うアーティスト・菅原果歩氏とともに、八甲田山系の自然や暮らしを巡るバスツアーを実施します。

・菅原果歩ワークショップ「フィールドノートを作ろう」
日時:2026年9月27日(日) 9:00-16:00
会場:ACAC創作棟、屋外 ※予約制
アーティストの菅原果歩氏とともに、森や湿地で出会った鳥や植物、風景を観察し、スケッチやにおいなど様々な感覚を記録して、自分だけのフィールドノートを作ります。

【残る、なくなる】
・野外彫刻トークシリーズvol.1 「残る、なくなる」
日時:2026年9月19日(土) 13:00-16:00
会場:ACAC ※予約制
ACACの屋外に作品を手がけた彫刻家の土屋公雄氏、美術家の辻けい氏に加え、人類学の視点から縄文文化を研究する青森公立大学の長岡朋人氏を迎え、ACACの森に設置されてきた野外彫刻のこれからのあり方を考えるトークイベントを開催します。

・淺井裕介ワークショップ(仮)
日時:2027年3月以降
ACACの野外作品を手がけてきたアーティストの淺井裕介氏とともに、作品の修復と参加型のワークショップを予定しています。
【地と表現の岸辺】
・Bar Landscape 写真と地酒とトークの会
日時:2026年7月18日(土) 18:00-20:00
会場:Gallery NOVITA ※予約制
写真家・小説家の清水裕貴氏をお招きし、これまでの活動と青森でのリサーチについて、写真と地酒を囲みながらお話するトークイベントを開催します。

・清水裕貴オープンラボ「語りの前にある地と表現の交差」
日時:2026年9月下旬~2027年3月頃まで
会場:ACAC屋外
フィールドワークを経て写真や言葉で物語を制作してきた写真家・小説家の清水裕貴氏が、青森でのリサーチ先で採集したものをACAC屋外に設置・公開します。

【つくるをひらく】
・観客参加型パフォーマンス《Voy!》
日時:2026年9月4日(金)開演19:00、9月5日(土)開演15:00、19:00、9月6日(日)開演15:00
上演時間:約1時間(予定)
会場:ACACギャラリーA、他 ※予約制
ブラインドサッカーチーム「ガルハ青森」との協働のもと、李奥森(ヴァル・リー)が継続してきたブラインドサッカーに関するリサーチを、観客参加型のパフォーマンス公演として発表します。

*プログラム期間中にはこの他にもイベント等開催予定です。また、イベントは今後の状況により変更となる場合があります。最新情報についてはお手数ですがwebサイトや各種SNS等をご確認ください。
参加作家・研究者プロフィール
○清水裕貴 SHIMIZU Yuki
1984年千葉県生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。写真家、小説家。土地の歴史や伝承をリサーチし、複層的な記憶や風景の変遷への関心をもとに作品を制作している。近年の主な展示に「オランダ×千葉 撮る、物語る —サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」(2025、千葉県立美術館/千葉)、「MOTアニュアル2024 こうふくのしま」(2024、東京都現代美術館/東京)、「浮上」(2024、PGI/東京)、「眠れば潮」(2023、PURPLE/京都) など。 主な小説作品に短編小説『ホワイトサンズ』(『すばる』2026年4月号)、短編小説『光の味を知るものたち』(『すばる』2025年7月号)などがある。 https://shimizuyuki.com/
○菅原果歩 SUGAWARA Kaho
2000年秋田県生まれ。東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。鳥類への関心を起点に、鳥を軸とした環境の多層的な関係性に着目し、フィールドワークやリサーチをベースとした制作を行う。高校時代からライフワークとして鳥の観察と記録を続けている。近年の主な活動に「アートサイト名古屋城 2024」(2024、名古屋城内/愛知)、「星影のたもと、うたは渡るる」(2023、新屋NINO/秋田)、など。2026年の「第74回東京藝術大学卒業・修了作品展」にてサロン・ド・プランタン賞、2022年には「3331 ART FAIR 2022」にてアートエバンジェリスト協会賞、EU・ジャパンフェスト賞などを受賞。
Instagram:https://www.instagram.com/kahon_335/
○辻けい TSUJI Kei
1953年東京都生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了。美術家。森や砂漠、水辺などでのフィールドワークを通じたインスタレーションを国内外で展開し、染織した糸を用いて自己と自然界との関わりを探究してきた。2001年より野外空間における立体作品の制作を開始。青森では八甲田山中や小牧野遺跡などでフィールドワークおよびインスタレーションを展開し、2005年にACACにて野外作品《青森―円》を制作した。主な活動に「辻けい展 あかからあかへ。あるいは火と水」(2014、ギャラリーエークワッド/東京)、東置賜郡高畠町竹森(縄文時代/中期の発掘現場)でのフィールドワーク・インスタレーション(2017、山形)、キラウエア火山溶岩流域でのインスタレーション(2012、ハワイ島)、忍路環状列石でのインスタレーション(2010、北海道)など。映像と音による作品も手がけており、山形県東置賜郡高畠町の日向洞窟・一の沢洞窟・火箱岩洞窟(縄文期)で収録された《タマフリ》(2018年編集)などがある。
○土屋公雄 TSUCHIYA Kimio
1955年福井県生まれ。ロンドン芸術大学チェルシーカレッジ美術彫刻科修士課程修了。彫刻家、環境造形アーティスト、愛知県立芸術大学名誉教授。「所在/記憶」をテーマに、家屋の廃材や灰を素材とした作品を手がけるとともに、国内外で土地の歴史・文化・環境や人々の記憶に関わるパブリックアートやサイトスペシフィックなアートプロジェクトを展開してきた。2003年にACACにて枕木を用いた野外彫刻《記憶の風景》を制作。主な活動に、「うつしよの庭」(2023、名勝養浩館庭園/福井)、「戦後美術クローズアップ展」(2015、東京都現代美術館/東京)、「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑《記憶の場所》」(2001、都立横綱町公園/東京)などがある。1991年「現代日本彫刻展」大賞受賞。
○長岡朋人 NAGAOKA Tomohito
1975年青森県生まれ。京都大学大学院理学研究科修了、博士(医学)。聖マリアンナ医科大学医学部准教授を経て、現在は青森公立大学教授。人類学および解剖学を専門とし、ペルーと日本を拠点に研究活動を行う。主な研究テーマは、古代アンデスにおける社会の複雑化過程の解明と戦争の起源。近年はアンデス文明遺跡の発掘調査や古人骨調査に取り組み、人類社会の形成過程や人々の暮らしについて研究を進めている。
○三浦英樹 MIURA Hideki
1965年北海道生まれ。東京都立大学大学院博士課程地理学専攻単位取得退学。現在は青森公立大学教授。専門は地理学、地形地質学、第四紀学。これまで北海道、南極、北極、ヒマラヤなどで調査を行ってきた。近年は主に北東北を対象に、地球規模の空間スケールと地質学的時間スケールの視点から、地域の自然環境とその成り立ち、人々の暮らしとの関係について研究している。
○李奥森(ヴァル・リー) Val LEE
台湾を拠点に活動する演出家、ビジュアルアーティスト。ニューヨーク州立大学で映画制作と社会学をを学び、2008年に鬼丘鬼鏟 (ゴースト・マウンテン・ゴースト・ショベル)を設立。エクスパンデッド・シネマ、パフォーマンス、イメージを横断しながら、空間や観客のあり方を捉え直すような時間的状況を構築する。李の作品は、構造的な暴力、戦争、通常とは異なる感情を主題にしながら、物語の展開そのものではなく、時間が分散し、存在が明滅するような知覚の場を生み出すことに重きを置く。身体は捉えどころなく現れては消え、出来事は宙づりのまま展開する。知覚が遅延したまま、鑑賞者は緊張、曖昧さ、静かな混乱がもたらす非線的な環境へと招き入れる。
李の映像作品は、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン)、SOMA Berlin、台北当代芸術館(MOCA)、the Vernacular Institute(メキシコ)、HKW(ベルリン)、グラン・パレ(フランス)、ヨーロッパ写真美術館、光州ビエンナーレ、緑島人権芸術祭、台北ビエンナーレで展示された。パフォーマンス作品は、台北市立美術館、京都芸術センター、国家両庁院、Taipei Arts Festivalなどで上演された。これまで、アジアン・カルチュラル・カウンシル、Hong Foundation、National Culture and Arts Foundation、Taiwan Contemporary Culture Lab (C-LAB)、Australia’s Performance Spaceから支援を受け、2017年には台新芸術賞(ビジュアルアート部門)を受賞した。
https://www.valleeindeks.com/
開催概要
プログラム名|ランド&ラーニング たとえ共存が難しかったとしても、この森は共有地となりうるだろうか
プログラム期間|2026年2月-2028年3月
会場|国際芸術センター青森、青森市内
主催|青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC]
協力|AIRS(アーティスト・イン・レジデンス・サポーターズ)
後援|青森市、青森テレビ、RAB青森放送、青森朝日放送、青森ケーブルテレビ、エフエム青森、ABHラジオ、コミュニティラジオ局BeFM、東奥日報社、陸奥新報社、デーリー東北新聞社
※ACACの事業運営支援を目的とする「事業協力金(寄付金)」への協力をお願いしています。
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