アートな「人」紹介

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工藤友哉さん

写真:工藤友哉さん

アートに興味をもったきっかけを教えてください

「ねぶた職人」になりたいと思ったのがすべての入り口です。
小学校に入る前、「児童画コンクール」という図画のコンクールにねぶたの絵を描いて出したところ、金賞を取ることができました。後日、近所のスーパーに貼り出された自分の絵を改めて見たときに「いや、本物はもっとかっこいいな」「もっと上手に描きたいな」と感じたことが、すべてのきっかけになっています。
その後も小学校から高校まで、学校にいる間は暇さえあればノートの隅っこにねぶたの絵を描いていました。それが大人になった今でも続いている、といった感じです。

写真:工藤友哉さん

アートに感じる「魅力」を教えてください

数年前から高校の美術の教員をしているのですが、津軽ではなく南部の高校に勤務した際、ねぶたのことをまったく知らずに育った高校生たちに、授業でねぶたに触れてもらいました。「ロウ」や「染料」といったねぶた特有の技法に初めて触れてもらいました。本来であれば「伝統的な絵を真似してみよう」というところから始めるのでしょうが、美術の時間なので「好きにやってごらん」と一言だけ指示を出し、好きなように作ってもらいました。
いざ、でき上がったものを見てみると、伝統的な絵にとらわれず、すごく自由で綺麗で、鮮やかなねぶたのアート作品を作り上げていました。私自身ねぶた職人を目指していたこともあり、「伝統的なねぶた」というものをずっと勉強してきました。しかし、そういった伝統にとらわれない、自由で美しい「アートとしてのねぶた」の魅力にも気づくことができました。
このように、誰でも「美しい」「綺麗」といった体験を共有でき、それを発信できるということがアートの魅力だと思っています。

写真:工藤友哉さん

これからどんな活動をしていきたいですか?

伝統的な祭りに出るねぶたを作ってみたい、というのももちろんありますが、それとは別に「アートとしてのねぶた」の制作も続けていきたいと思っています。特に教職に就いている間は美術の授業を通して、ねぶたの素材や技法にも触れてもらいながら、ねぶたのアートとしての可能性を、若い方と一緒に探し続けていきたいです。
今後はねぶたの制作に加えて教育の場での普及や、今行っている研究活動も続けながら、何かしらねぶた業界に貢献することができればと思っています。よほどの障害が立ちふさがらない限り、今後も活動を続けていきたいと思います。

工藤友哉 プロフィール

工藤友哉 くどうともや

1992年 青森市生まれ
2017年 弘前大学大学院 教育学研究科 修了。
現在、弘前市内の高校美術 非常勤講師。東北芸術文化学会 会員。大学院在学時より、青森ねぶたの伝統性やアート性に焦点を当て、制作・研究を続ける。

<作家歴>

2016.09 グループ展「What’s the NEBUTA? 展」(青森市)
2017〜 「A-Paradise」作品出展及びワークショップ講師(青森市)
2019.02 個展「工藤友哉小品展」(弘前市)
2019.03 「第3回あおもりアートと文化展〜いきものの気配〜」(青森市)
2019.09 大阪ねぷた祭り出陣「大阪城図屏風ねぷた」制作(大阪市)
2019.11 「灯りの集い展」(高校芸術科美術・ねぶた授業作品展)(弘前市) 他

 

<研究歴>

2016〜 東北芸術文化学会 弘前例会 口頭発表(弘前市)
2016.12 「青森ねぶた全集」編著・県立図書館へ寄贈(青森市)
2017〜2018 東北芸術文化学会 学会誌「芸術文化」論文寄稿
「青森ねぶたの造形的変遷に関する一考察」(芸術文化22号)
「青森ねぶたの造形的分類及び構成に関する一考察」(芸術文化23号)
2019.03 青森県検診看護従事者研修会 特別講演(青森市)
「県民なら知ってほしいねぶたの見方」
2019.10 青森公立大学公開講座ねぶた学2019(青森市)
第2回講座「青森ねぶたの造形的変遷」 他

 

※現在、ねぶた文化の研究のために、青森ねぶたや他地区のネブタ・ねぷたの資料(特に写真)を探しています。弘前や黒石・平川・五所川原・木造・大湊等。お心当たりのある方は、ご一報いただければ幸いです。
p488atuben@yahoo.co.jp (工藤)

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