山﨑千尋さん
小学生の頃から、家族の影響で美術だけでなく、音楽もやっていました。
外でサッカーをやったりして遊んでいたのですが、絵や音楽は『女の子がやるもの』というイメージが強く、それを自分が好きなことはなんとなく周りには恥ずかしく、言えないでいました。
中学生になり、初めて人前で絵を描いた時に褒められたことが、今まで「恥ずかしい」と思っていたせいかとても嬉しかったのを今でも覚えています。
やりたいことはいろいろありますが、今なんとなく浮かぶのは『そこでしか体験・実感できない』ことを「いろいろな距離感の人たち」に向けてやりたいということです。
今回のイベント(https://aomori-artscouncil.jp/2015/08/26/1073)は、「市民のみなさん」「ここにいる人達」に向けたものですが、準備段階でもたくさんのお店でいろいろな人とコミュニケーションをとることで、得ることや感じるものがたくさんあります。
見たこともない人や言葉が通じない外国人のように、物理的な距離感がある人
自分が死んだあと、すなわち時間的な距離感がある人
といった、自分が全然知らない人にも投げかけるような「距離感」も大事だと思っています。
さらに、その幅を広くしたり狭くしたり、そんな抑揚を持って制作に取り組めたらいいなと思います。
アート・音楽に限ったことではありませんが、「矛盾した気持ちを表現できる」ということにとても救われています。
『こう思っている』が、実は『逆のことも考えている』。
こういうことは伝えるのが難しいですよね。
飲み屋などで長い時間話をすればわかるかもしれませんが(笑)。
アートという表現手段がないと、生きてはいけますが「モヤモヤ」します。
家に帰って思い返したとき、あのとき僕が言ったひとことひとことが、「こういう風に思われたんだろうな」「伝わっていないことがあるんだろうな」とか、「どっちが表でどっちが裏なのか伝わっていないんだろうな」といった風に後悔をしたくないので、助かります。
そんな「モヤモヤが消化できる」ところが、アートの魅力かなと思います。
山﨑千尋 Chihiro YAMAZAKI
電子、身体、建物などあらゆる物事を絵画材料として捉え、時には自ら道具を発明し、それらを利用して平面作品を展開。
モチーフとして使用する現代社会における事件性を孕んだ問題は、いつの間にか消えてしまった、事の“始まりと終わり”を探る手掛かりとして、姿形を細やかに変化させながら登場する。
- 1990年 北海道生まれ
- 2013年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
- 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻壁画第1研究室 在籍
<展覧会>
- 2015年 「STRONG SMART -賢明と傷心-」Arts Chiyoda 3331
- 2014年 「大館・北秋田芸術祭 2014 里に犬、山に熊」大館商店街 秋田
- 2014年 「M・I 2014展」こうち男女共同参画センター 高知
- 2014年 「泪の上で」泪橋交差点 東京
- 2014年 「DJ TORIOROS.aka.YSM」GALLERY NIW 東京
- 2013年 「第61回東京芸術大学 卒業・修了作品展」東京都美術館 東京
- 2012年 「D4C」東京芸術大学 東京