三村紗瑛子さん
「学生時代に美術部に入部し、初めて「油絵」に触れたときです。
『もっと学びたい』という気持ちになり、進学先もそういうところを選びました。
「油絵」を自分なりにつかんでいって、さらに自分の表現を広げていきたいという気持ちが強くなり、現在も作家活動を続けています。
周りと違う考えを持っていたり、違う見方を持っていたり…。アートの中では「直す」とか「人に合わせる」とかではなくて、自分の表現を広げていったり、独自性であったり、強さであったり、そういうものになっていくことが、「強み」になる。そこに魅力を感じています。
作家さんが当時感じていたことや考えていたこと、誰に影響をうけたのか等が作品を通してダイレクトに伝わってくる瞬間が、美術をやっていて良かったなと思える瞬間です。また、大きな衝撃をうけたり、自分の考え方が変わったりという瞬間があるのも、魅力のひとつだと思っています。
このように、誰でも「美しい」「綺麗」といった体験を共有でき、それを発信できるということがアートの魅力だと思っています。
常田さんの作品を初めて見たときに「こんなにも力強い表現を、ずっと青森でし続けてきた人がいるんだ」ということに驚きを感じました。施設で紹介されている年表では、上京して中央の方でも活動した経験があると記載されています。
中央で一度戦って、青森に戻ってきて「これから自分がどう戦うか」を考えたときに「農民」と「表現者」という二つの目線から、『自分が何を描きたいのか』を突き詰めていったところがすごくカッコイイと思っています。わたし個人的には、作品から「誰にも負けないような画面を作りたい」という決意や「ここを描きたい、ここを表現したい」という強い気持ちがすごく伝わってきて、常田さんとお話してみたかったなぁと、思っています。
わたしも地方に住んでいるので、これからもっともっと県外や世界に足を運んで、いろんな作家さんの作品を見て、よりよい作品を追求していきたいと思っています。
常田さんのように、地方で自分は何ができるのか、ということを考えるのも良いなと思っていますし、この時代に生きる自分だからこそ、どういう作品ができるだろうかということを考えるのも良いし…。かっこいい作家さんになりたいな、と考えながら絵を描こうというのでも良いですし…。これからも自分の作品をもっと展開していくと思いますので、とにかく今はたくさんの作品を見て・描いて、県内外で活躍できる作家になりたいと思っています。
【取材協力】常田健土蔵のアトリエ美術館
三村紗瑛子 みむらさえこ
1994 ⻘森県百石町生まれ。県立高校を卒業後、北海道教育大学と同大学院の油彩画研究室で油絵を学ぶ。
現在県内の高校で美術講師をしながら県内外で作品の発表活動をしている。公募団体二紀会の準会員。
<個展>
2015 | 「a little…」八戸ポータルミュージアムはっち(⻘森) |
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2016 | 「不在の気配」北海道教育大学岩見沢校BOX [i-BOX](北海道) |
2017 | 「あの日の記憶」画廊大千(大阪) |
2018 | 「遠い部屋の中で」八戸ポータルミュージアムはっち(青森) |
2020 | 「そこへ向かう光たち」コート・ギャラリー国立(東京) 「Still Life」東北の仕事 GALLERY WAA(青森) |
<グループ展>
2017 | 「淑明女子大学校・北海道教育大学学生交流展2017」北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設 HUG(北海道) 「北海道銀行ロビー展」北海道銀行ロビー(北海道) 「油展」北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設 HUG(北海道) 「あなたのためのカレンダー展」うしお画廊(東京) |
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2018 | 「三村紗瑛子・中村まり子 二人展 まどろみの中で」うしお画廊(東京) 「第7回われらの地平線」日本橋三越本店(東京) 「油展」北海道教育大学アーツ&スポーツ文化複合施設 HUG(北海道) 「それぞれの小窓」北都館ギャラリー(北海道) 「あなたのためのカレンダー展」うしお画廊(東京) |
2019 | 「青い糸」海の駅あさむしマリーナ(青森) 「第8回われらの地平線」日本橋三越本店(東京) 「それぞれの小窓」北都館ギャラリー(北海道) 「あなたのためのカレンダー展」うしお画廊(東京) |
2020 | 「太陽展 」日動画廊(東京) 「青森二紀グループ 第5回小作品展」十和田市民交流プラザ「トワーレ」(青森) |
<公募展・コンクール>
2017 | 「第13回春季二紀展」 新人選抜奨励賞 「第71回 ニ紀展」 一般の部 優賞 受賞 |
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2018 | 「第53回昭和会展」/日動画廊/東京 入選 |
2019 | 「第54回昭和会展」/日動画廊/東京 入選 「第73回 二紀展」損保ジャパン日本興亜美術財団賞 受賞 |
2020 | 「第55回昭和会展」/日動画廊/東京 ニューヨーク賞受賞 |